「矯正って子どものうちしかできない?」「大人になったらもう遅いのでは?」そんな疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
確かに、歯列矯正と聞くと子どもや学生のイメージが強いかもしれません。
しかし実際は、健康な口腔状態であれば矯正治療に明確な年齢制限はなく、何歳からでも、そして何歳になっても治療は可能です。
この記事では、矯正治療の開始可能な年齢や、年代別の特徴、治療のポイントなどを詳しく解説します。
目次
■矯正治療は何歳から始められる?
◎乳歯列期から始められるケースもある
実は、歯科矯正は0歳からでも始められる分野があります。
これは歯列矯正そのものというより、顎や口まわりの発育をサポートする口腔育成という考え方で、MFT(口腔筋機能療法)や食習慣の指導などが中心になります。
実際の装置を使った矯正は、3歳〜6歳ごろの乳歯列期や、6歳〜12歳ごろの混合歯列期から行うことが多く、顎の成長を利用した「Ⅰ期治療」として有効です。
■矯正治療は何歳まで可能?
◎50代、60代でも矯正治療はできる
「矯正 何歳までできるの?」という疑問を持たれることがよくありますが、結論から言えば年齢の上限はありません。
歯と歯周組織が健康であれば、50代でも60代でも矯正治療は可能です。見た目の改善だけでなく噛み合わせや発音の改善など、機能面でも大きな効果が期待できます。
◎ただし、口腔内の状態がカギに
高齢になると、歯周病や骨の減少といったリスクも増えます。
矯正治療を成功させるには、健康な歯肉と骨が必要不可欠です。
そのため、年齢よりも口腔内の状態が重要になります。
定期検診を受けてきちんと管理ができている方であれば、年齢に関係なく治療が行える可能性が高くなります。
■年代別|矯正治療の特徴と注意点
◎10代~20代の矯正は顎の成長を活かせる
この時期は顎の骨の成長が活発なため、歯の動きも早く、治療の選択肢が広がります。
特に10代のうちは顎の成長をコントロールしながら歯列を整えることができるので、比較的短期間で結果が得られやすいのが特徴です。
◎30代~40代の矯正も増えている
近年、30代・40代で矯正を始める方も増加しています。
マウスピース矯正の登場で、目立たず矯正できるようになったこともひとつの理由かもしれません。
成長期のように骨の成長を利用した矯正はできませんが、治療計画を立てやすく、見た目や噛み合わせに対する意識も高い時期のため、満足度の高い治療結果が得られる傾向にあります。
◎50代~60代以降の矯正も可能
年齢を重ねると、歯の本数が減っていたり、インプラントやブリッジが入っていたりと、矯正治療が複雑になることもあります。
矯正治療で歯並びを整えることで、「噛みやすい」「歯磨きがしやすい」など、健康寿命にもメリットがあるでしょう。
■年齢別に変わる治療目的
◎子どもは予防と育成
成長期の矯正治療は、歯をきれいに並べるだけでなく、正しい顎の発育を促す予防矯正の側面も強くなります。
口呼吸や指しゃぶりといった習癖を改善することで、将来的な不正咬合を防ぐことができます。
◎大人は見た目と機能改善
成人以降の矯正では、歯列の美しさはもちろん、噛み合わせや発音、顔貌の改善など、機能面の向上を重視した治療が主になります。
【まずは相談してみることが第一歩】
「矯正って何歳から何歳までできるの?」という疑問を感じたら、まずは歯科医院に相談してみることが大切です。
当院では、歯の状態やライフスタイルに合わせて、適切な治療法をご提案いたします。。
年齢で諦めるのではなく、現状をきちんと把握して前向きに検討してみましょう。