インビザラインでは、治療開始前に歯の動き方をシミュレーションするソフトが用いられます。それが「クリンチェック」と呼ばれる3Dシミュレーションツールです。
この記事では、インビザライン関心を持つ方に向けて、クリンチェックの仕組みやメリット、なぜ必要なのかを分かりやすく解説します。
目次
■クリンチェックとは?
◎インビザラインの3Dシミュレーション
クリンチェックとは、インビザラインの治療計画を3Dで可視化できるソフトです。
患者さんの口腔内をスキャンし、そのデータをもとに歯の動きを段階ごとにシミュレーションすることで、最終的にどう歯が並ぶのかを事前に確認するための機器です。
■クリンチェックの仕組み
◎口腔内スキャンでデータを取得
まず、歯科医院で口腔内スキャナー「iTero(アイテロ)」を使って、患者さんの歯型を読み取ります。
粘土のような従来の型採りとは異なり、不快感が少なく、スピーディに高精度なデータが得られます。
◎治療計画の作成
取得したデータは、インビザラインの開発会社アライン・テクノロジー社に送られ、治療計画が作成されます。
必要なステップ数や移動量が計算され、マウスピースの設計に反映されます。
■クリンチェックでわかること
◎治療期間の目安
クリンチェックのシミュレーションでは、必要なマウスピースの枚数や交換ペースから、全体の治療期間の目安が把握できます。
これにより、仕事やイベントの予定に合わせて治療計画を立てやすくなります。
◎治療途中の経過予測
どの時点でどの歯がどこまで動いているかといった情報もモニターで確認できます。
例えば、3ヵ月後には前歯のねじれがどれくらいとれているといった未来予測ができるため、患者さんのモチベーション維持にもつながります。
◎治療ゴールの確認
最終的な歯並びがどのようになるのか、3D画像で確認できるのは大きなメリットです。
目指す見た目を共有できることで、患者さんと歯科医師の間で認識のズレが生じにくくなります。
■クリンチェックのメリット
◎治療精度が高まる
歯の動きを事前に可視化して計画するため、無理のない範囲での矯正が可能になります。
計画通りに治療が進めば、後戻りやトラブルも少なく、目指す歯並びに近づける可能性が高くなります。
◎安心して治療を始められる
本当にきれいになるか不安に感じる方にとって、治療開始前にビジュアルで確認できるのは大きな安心材料です。
完成形をイメージできることで、納得して治療を始めることができます。
◎コミュニケーションがスムーズに
クリンチェックのデータをもとに説明を受けることで、難しい専門用語を使わずに、直感的に理解することができます。
これにより、患者さんと歯科医師の間で信頼関係も築きやすくなります。
■クリンチェックはなぜ必要?
◎予測のない矯正はリスクがある
シミュレーションなしで矯正治療を進めると、歯の移動に無理が生じたり、噛み合わせが悪くなったりするリスクがあります。
クリンチェックがあれば、予測不能な動きやリスクを事前に把握し、調整が可能になります。
◎複雑な症例でも対応可能に
従来の矯正では難しかったケースでも、クリンチェックによって細かく動きを分割することで対応できる場合があります。
歯の根の角度や奥歯の移動など、見た目ではわかりにくい部分まで計画に組み込むことができます。
◎治療のモチベーションを保てる
矯正治療は数ヶ月から年単位で時間がかかるものです。
途中でクリンチェックのシミュレーションを見返すことで、進捗を実感しやすくなったり、モチベーションの維持も期待できます。
【矯正治療をより良く進めるためのシミュレーションソフト】
インビザラインの矯正治療におけるクリンチェックは、ただの確認ツールではなく、治療の精度と安心を高めるために欠かせない重要な存在です。
矯正前に歯の動き方をシミュレーションできることで、治療の見通しが立てやすくなり、患者さんと歯科医師双方にとっても多くのメリットがあります。